News Release

教師の知識と価値観が気候に関する教育を妨げうる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

本Education Forumの著者らによれば、米国のほとんどの理科教師は授業で気候に関する知識を取り上げているが、政治的イデオロギーと知識の不十分な把握が、彼らの教育の質を妨げている可能性があるという。95%を超えるほとんどの気候研究者は、最近の世界規模の温暖化が人的な原因によるとしているにもかかわらず、人間の活動が主要な原因であると考えている米国の成人は半数にすぎず、2014年に聞き取り調査が行われた20ヵ国中で最低の割合であった。しかし以前の調査から、気候変動について教室で教えられていることが示されているため、Eric Plutzerらはこうした教育の質を詳細に調べた。中学・高校の教師1,500人を対象とした大規模調査を行ったところ、30%の教師が、最近の世界的な温暖化は「自然の側の原因によるらしい」ことを強調しており、12%は人間の側の原因を強調していないことが明らかになった。Plutzerらはこのことの背景にある理由を探っており、ごく少数の教師が、気候変動について教えないように、という外的な圧力(例えば、親から)を報告したと述べている。著者らは、教師たちは、例えば氷床コアにおける二酸化炭素の測定値などといった科学的なエビデンスについて、それほど詳しくないかもしれない、と述べている。さらに著者らは、多くの教師が科学的な事柄に関する同意の程度について意識していない、と述べている。こうした意見は、著者らの調査結果により裏付けられている。「地球の温暖化の理由のほとんどが人間の活動にある、と考えている気候研究者の割合はどのくらいか?」という質問に対して、「81~100%」という正解を選んだ理科の教師は、わずかに中学教師の30%、および高校教師の45%であった。著者らはまた、政治的イデオロギーについて評価する質問が、教育および内容の知識に関するいかなる指標よりも、教室における教師の教え方の最も強力な予測因子であった。したがって、教育における取り組みでは、科学コミュニケーションの研究を利用する必要があろうし、科学に対する抵抗の根本原因に対処する必要があろう、と著者らは結論付けている。

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