Xiaochun Qinらが、重要な植物タンパク質超複合体の高分解能結晶構造を明らかにし、非常に高効率な太陽エネルギー変換器に新たな光を当てた。多くの植物の光合成は、光化学系I（PSI）を取り囲み日光を捉える、大型の集光性タンパク質複合体I（LHC1）により行われている。LHC1は、吸収したエネルギーをPSIコアに伝達でき、そこでエネルギーは約100％の効率で化学エネルギーに変換される。 過去の研究で、エンドウマメ（Pisum satirvum）のPSI-LHC1の構造が低分解能で解明され、特定の色素とタンパク質が存在していることが明らかになった。しかし今回、Qinらは、解像度2.8オングストロームで、このような補因子がどのように並び組織化されているかを示す、より詳細な構造を明らかにした。Qinらの知見は、いくつかの重要なエネルギー伝達相互作用時における、葉緑素やカロチノイドなどの特定の色素の配向を強調している。まとめると、Qinらは、太陽光の集光やその有害作用からの植物細胞の保護にかかわる光合成機構の理解に役立つ構造の基礎部分を提供している。Roberta CroceのPerspectiveで、これらの結果とその意義を詳細に説明する。
Article #9: "Structural basis for energy transfer pathways in the plant PSI-LHCI supercomplex," by X. Qin; T. Kuang; J.-R. Shen at Chinese Academy of Sciences in Beijing, China; X. Qin; M. Suga; J.-R. Shen at Okayama University in Okayama, Japan.
Journal
Science