News Release

ケシがモルヒネの謎を解く決め手を提供する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

このニュースリリースには、英語で提供されています。.

モルヒネやコデインなどの天然の鎮痛性アルカロイド源であるケシ科の植物を研究している研究者らが、ケシ科の植物におけるモルヒネ生成経路の重要な連続的ステップを促進するSTORRという融合遺伝子を同定した。この所見は、酵母で得られた最近の結果を踏まえており、モルヒネの代謝経路を完全に解明するものである。これにより、ケシ畑を作る必要なしに(他のアヘン剤も同様に)、経済的に重要な薬物の製造につながりそうな、より安価でより安全な経路が示唆される。これまで研究者らは、(S)-レチクリンとして知られる化合物を(R)-レチクリンという変化体に再合成する酵素を探索してきた。ボタンゲシ(Papaver somniferum)というケシ科植物における変異を研究することで、Thilo WinzerらはSTORRという酵素が、(S)-レチクリンを1,2-デヒドロレチクリンというアミンに変換し、次いでこの中間基質を(R)-レチクリンに変換するという、2つのステップを両方触媒することを発見した。著者らによれば、STORR酵素は、このプロセスの第1ステップを促進するチトクロームP450モジュールとともに、第2のステップを促進する酸化還元酵素モジュールをも含んでいるという。モルヒネの生合成経路が完全に解明された今、研究者らは、年間に何十億ドルもの売上を生み出すアヘン剤ベースの鎮痛薬を製造する、より効率的な微生物ベースの方法を追究することが可能となった。

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Article #25: "Morphinan biosynthesis in opium poppy requires a P450-oxidoreductase fusion protein," by T. Winzer; M. Kern; A.J. King; T.R. Larson; R. Teodor; S. Donninger; Y. Li; A.A. Dowle; J. Cartwright; R. Bates; D. Ashford; J. Thomas; I.A. Graham at University of York in York, UK; C. Walker; T.A. Bowser at GlaxoSmithKline in Boronia, VIC, Australia.


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