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化石により北米のマンモスの祖先についての解釈が変わる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

マンモスの歯を詳しく分析した結果、アジアから北米に最初に移住したマンモスはこれまで考えられていたよりはるかに進化した種であったことが示された。ユーラシアのマンモスの進化の起源は確立されているが、後に北米に定住したコロンビアマンモスという種についてはほとんど分かっていない。現在は、マンモスが最初に北米に到着したのは150~130万年前で、これら初期に定住したマンモスは「原始的な」形態をしており、ヨーロッパで発見されたマンモスM. meridionaliとより近い関係にあると考えられている。これはつまり、初期のマンモスはベーリング海峡を渡って北米に移住するとともに、ヨーロッパにも移住し、その後それぞれの大陸で様々な種へとさらに進化したということを示していると考えられる。マンモスの進化についての研究では多くの場合、臼歯の特性を頼りに種間の相違を確認している。しかしAdrian ListerとAndrei Sherは、これまでの研究ではマンモスの一生で起こる摩耗や裂傷、臼歯が口の後方から前方へと移動するにしたがって弱くなったことの説明ができないことに注目している。ListerとSherはこれらの要因を斟酌し、より進化した種のマンモスM. trogontherii,が200~150万年前に最初にベーリング海峡を渡り、その後、コロンビアマンモスへと進化したと考えている。ユーラシア大陸の体毛に覆われたマンモスがそれに続き、コロンビアマンモスが一時期生息していた場所に移住したことで生息域が重なり、おそらく異種交配したとListerとSherは述べている。

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Article #15: "Evolution and dispersal of mammoths across the Northern Hemisphere," by A.M. Lister at Natural History Museum in London, UK; A.V. Sher at Severtsov Institute of Ecology and Evolution in Moscow, Russia.


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