News Release

恐怖顔における顔色のサブリミナル効果

顔色は表情のサブリミナル処理におけるN170潜時に影響

Peer-Reviewed Publication

Toyohashi University of Technology (TUT)

image: Examples of the target face images and results of the ERPs in the subliminal condition are shown. view more 

Credit: COPYRIGHT (C) 2015 TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY. ALL RIGHTS RESERVED.

「真っ赤にして怒る」や「恐怖で真っ青になる」という言葉に表れるように、顔色は感情状態を示します。これまで、いくつかの行動実験研究において、顔色が表情知覚に与える影響が調べられてきましたが、それを示す神経生理学的証拠はありませんでした。

そこで、豊橋技術科学大学エレクトロニクス先端融合研究所の研究者らは、脳波の事象関連電位を用いることにより、顔色が、顔表情のサブリミナル(閾下)処理の初期段階に影響を与えることを発見しました。これにより、初めて、顔色が表情知覚に与えることを示す神経生理学的証拠が得られたことになります。研究者らは、表情(普通の表情,恐怖表情)と顔色(自然色,青色)の組み合わせからなる4カテゴリの顔表情判定タスク(閾上、閾下条件)中の15人の実験協力者の脳波を測定しました。

実験解析の結果、サブリミナル条件において、青色恐怖顔は、自然色恐怖顔に比べて、N170潜時が遅くなりました。これは、顔色が、サブリミナル条件における恐怖顔の処理を調整していることを示しています。この結果は、顔色が表情知覚に影響を与えるという新しい神経生理学的証拠を示しています。さらに、顔色の効果は、表情処理の早い段階で影響があるということも示唆しています。

これらの結果は、仮想世界におけるアバターとの感情コミュニケーションの促進などの応用が期待できます。研究者らは、今後、自然な顔色変化における顔色の表情知覚への影響を調べていきたいと考えています。

###

Funding agency:本研究の一部は、科研費22300076、文部科学省グローバルCOE プログラム「インテリジェント・センシングのフロンティア」、および総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)の援助により行われました.

【連絡先】
〒441-8580 愛知県豊橋市天伯区雲雀ヶ丘1-1
国立大学法人 豊橋技術科学大学 広報部会
アドレス:press@office.tut.ac.jp

【豊橋技術科学大学について】
豊橋技術科学大学は、国立大学として1976年に創立され、"機械工学"、"先端エレクトロニクス"、"情報科学"、"生命科学"、"建築"の各分野をリードする機関です。
ウェブサイト: http://www.tut.ac.jp/english/


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.