Karen Kapheim らが行った詳細なゲノム解析によれば、ハチなどのコロニーを形成して生活する 動物の特徴である独自の社会構造を進化させる方法はひとつではない。ハチは真社会性 昆虫 であ る。すなわち、働きバチの一部は生殖をせずに、同胞の世話をする。場合によっては、これによ って、数千の個体から成る精巧で高性能な「超個体」が形成されうる。 Kapheim らは、 10 種のハ チの ゲノムを詳細に検討し、真社会性の進化が常に同じ遺伝的ロードマップをたどるかどうかを 明らかにした。 Kapheim らによればその答えは「ノー」である。毎回、異なる遺伝子と異なる遺 伝子ネットワークが関与して、ハチの集団で真社会性が独立して進化している。しかし、ハチの 種は、遺伝子制御・発現能力の増加や遺伝子ネットワークの高度な複雑性などの、この独自のタ イプの社会的進化に関係するいくつかの遺伝的傾向を共有している。 Kapheim らは、ミツバチの 場合 と同様に、種が最も複雑な形態の真社会性を発達させた後、特定の重要な遺伝子の自然選択 が緩和されるというエビデンスも明らかにした
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Article #16: "Genomic signatures of evolutionary transitions from solitary to group living," by K.M. Kapheim at University of Illinois at Urbana-Champaign in Urbana, IL, and colleagues. For a complete list of authors, see the manuscript.
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