image: Filtering GTEx data through a prism allows us break up the information according to tissue type, each type having its own dis tinct, assigned color, and let s us analyze and compare the data from that vantage point. view more
Credit: C redit: Leslie Gaffney
新たな研究によって、遺伝子型－組織発現（ GTEx ）プロジェクトから得た予備的なデータセッ トの最初の解析結果が明らかにされている。このプロジェクトは、我々の体に内在する DNA が いかにして遺伝子発現を制御するのか を 調査 するものである 。一人の人間の体を形作る細胞はす べて、同じ遺伝子を有している。組織によって細胞が異なるのは、 D NA からのメッセージが複 製され、ある蛋白質が作られるとき、形成される細胞によって遺伝子発現が異なるためである。 たとえば、肝細胞と皮膚細胞の DNA はまったく同じであるが、これらは異なる蛋白質を有して いる。科学者らは依然として、各個人の組織間で、 どのように 異なる遺伝子発現が生じるか完全 には解明していない が 、遺伝子多型の多くは、突然変異であろうとなかろうと、蛋白質産生をコ ードするものではなく、各遺伝子の発現の一部、またはすべてを制御することでその変異の影響 を及ぼすのではないかと考えている。 遺伝子の遺伝的制御ネ ットワークとそれらが 作用 している組織についての理解を深めるために、 GTEx コンソーシアムの 130 名を超える研究者らは、 175 例から 43 の身体部位を網羅する死後サ ンプル 1,641 件を採取し、約 54,000 の転写された遺伝子の遺伝子発現パターンを調べた。これに よって、遺伝子 発現に影響を及ぼすゲノム内の明確な領域が特定され、それらのうちのどれが組 織特異的な発現パターンを示すかが明らかにされた。同系統の 2 論文のうち、 1 つ目の論文で Marta Mel� らは、 組織によって異なる少数の遺伝子が、組織特異的遺伝子発現を制御しているこ とを明らかにし（ showing that a few genes that vary from tissue to tissue typically dominate tissue - specific gene expression ）、複数の組織にわたる遺伝子発現の分布を示している。 Manuel Rivas ら は、切断型蛋白質バリアント（ truncated protein variant ）がさまざまな組織の発現にいかに影響を 及ぼすかを説明して いる。我々の遺伝子の遺伝的制御ネットワークを理解することによって、遺伝的変異がいかにして患者の疾患発現の素因となるかをより深く理解する助けとなりうる。今回 の GTEx コンソーシアムの研究成果は、さまざまな組織内の遺伝子発現の遺伝的制御を調査する 今後の研究のリソースとなる。 Perspective ではさらなる洞察が示されている
Article #8: "The Genotype-Tissue Expression (GTEx) pilot analysis: Multitissue gene regulation in humans," by The GTEx Consortium.
Journal
Science