News Release

より大きく、より効率の高いペロブスカイト太陽電池

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

交換効率の高さを維持しつつセル面積を大幅に拡大したペロブスカイト太陽電池の開発技術が発見された。ペロブスカイト太陽電池(PSC)は太陽エネルギーから電力への変換効率(PCE)が極めて高い上に製造コストも安く、それゆえに魅力がある。ただPSCには拡張性のなさという大きな弱点があり、現在のところ、約20%という魅力的なPCEを維持する一方でセルの最大面積は約0.1 cm2にしか達していない。Xiong Liらは今回、開口部面積1cm2、平均交換効率19.6%というPSCの作製に成功した。これは従来の製造技術の場合に発生するシミのような不純物を除去することで達成できた。ペロブスカイト太陽電池の製作工程では、「逆溶剤」をスピン中のペロブスカイトフィルムの中央に滴下する際にできる反応混合物が沈殿するが、この工程が結晶大の勾配や多くの結晶粒界を作り出してしまう。Liらは、うまく制御して溶液を除去できる真空せん光溶液プロセス(vacuum-flash solution processing:VASP)と呼ばれる真空技術を用いてこの不備な点を直した。VASPと急速熱アニール処理の併用でペロブスカイト構造中間体の品質が向上するともに結晶の成長速度も遅くなり、結果として結晶構造の高配向ペロブスカイトフィルムができるとLiらは述べている。この開発は漸進的とは言え、セル面積がより広く、交換効率も高いペロブスカイト太陽電池の実現に向けた大きな一歩である。

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