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発見されたコンパクト天体は、非常に大質量の中性子星か、それとも異常に小質量のブラックホールか?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

南アフリカで望遠鏡による観測を行った研究者らの報告によると、観測史上最も大質量の中性子星か、あるいは観測史上最も小質量のブラックホールと考えられる天体を天の川銀河内に発見したという。関連するPerspectiveではMays Fishbachが「その起源が何であれ……球状星団内に太陽質量の2.09~2.71倍の質量をもつコンパクト天体が発見されたことは、非常に興味深い」と述べている。今回の発見は、高密度核物質や超新星爆発、球状星団内の中性子星合体といった力学的相互作用について、まだ解明されてないその物理的性質を理解するうえで役に立つ可能性がある。天体物理学においてコンパクト天体といえば、一般に中性子星とブラックホールの2つを指す。しかし、観測史上最も大質量の中性子星と測定史上最も小質量のブラックホールには、質量にかなりの差(ギャップ)がある。具体的には、大質量の中性子星は一般に太陽質量の2.2~2.5倍であるのに対し、太陽質量の5倍未満のブラックホールはほとんど観測されていない。重力波イベントにおいて「質量ギャップ」内の質量をもつコンパクト天体が観察されたのと報告が何件かあるが、そうした天体の性質や形成機構は依然として不明である。今回Ewan BarrとArunima Duttaらは、そうした質量ギャップ内にある天体について報告している。BarrとDuttaらは、南アフリカにある電波望遠鏡群「MeerKAT」の観測結果を用いて、PSR J0514-4002Eという連星ミリ秒パルサーのタイミングを計測した。相対論的効果を考慮して、著者らは連星系の全質量を推定し、次にパルサーの相方である伴星について質量を推測した。その結果、伴星は太陽質量の2.09~2.71倍の質量をもつコンパクト天体であり、中性子星とブラックホールの質量ギャップの下端に位置していることが示された。このため、BarrとDuttaらは、この天体を非常に大質量の中性子星にも異常に小質量のブラックホールにも分類することができなかった。正体は不明だが、著者らは、この天体は2つの中性子星が以前合体した際に形成されたものであり、おそらく高密度の球状星団という特異な環境が影響しているのだろうと主張している。


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