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約7000種類の化合物の安定性を単純な数式で表現 ――電池材料や超伝導体の探索の高速化に繋がる新しい法則を発見――

Peer-Reviewed Publication

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

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Researchers from the Institute of Industrial Science, The University of Tokyo and collaborating partners have created guidelines for the design of intercalated materials, which will accelerate research on energy storage, electronics, and more

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Credit: Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

 東京大学 生産技術研究所 溝口 照康 教授、柴田 基洋 助教、同大学 大学院工学系研究科 川口 直登 大学院生の研究グループは、層間化合物の安定性を予測可能な単純な線形回帰式を開発しました。

 層間化合物は、イオンを脱・挿入できるという特徴から電池材料として活用されているほか、超伝導などの特異な物性を示すことから、盛んに研究が行われています。しかし、どのようなイオンと層状物質の組み合わせが安定となるかは自明ではなく、膨大な組み合わせの中から安定な層状物質を開発することは容易ではありませんでした。

 そこで、本研究グループは、独自の観点から層間化合物の構造を数千種類生成し、それらに対し密度汎関数理論に基づく第一原理計算を行うことで、データベースを構築しました。このデータベースを活用して検討を行った結果、錯体化学の知見を層間化合物に適用することで、簡単な回帰式で層間化合物の安定性を予測できることを見出しました。

 本研究で開発した回帰式はデータベースにない未知の層間化合物にも汎用的に適用させることができ、新たな層間化合物の強力な設計指針になります。また、錯体化学と無機化学の融合という新たな学術的視点をもたらす画期的な発見です。この新しい法則を利用することで、競争が激化している電池材料や超電導体開発の劇的なスピードアップに繋がります。

 


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