News Release

党による連邦科学資金支援に関する従来の見解に反する分析結果

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

アメリカでは共和党が下院や大統領職を掌握すると科学に対する連邦歳出予算が増えることが多いと、Alexandar FurnasらがPolicy Forumで述べている。党の科学支援についての従来の通説に異議を唱えるこの調査結果は、数十年にわたるアメリカの科学及び研究関連の歳出予算データの分析に基づいている。「私たちの調査結果は、総じて、政治的支配と連邦科学資金の関係の複雑さを浮き彫りにしている」と、Furnasらは書いている。「この分析は、共通の社会目標を推進する超党派的な優先事項として科学資金を組み立てることの重要性を強調し、同時に、政治的干渉から科学を守る注意を怠らないようにも呼びかけている。」世界最大の研究資金提供者であるアメリカ政府は、世界の科学研究と技術革新の推進において極めて重要な役割を果たしている。それでも、党の政府支配と科学資金の関係は依然として明確にできておらず、この手抜かりが今日の社会分極化でさらに重大になっている。Furnasらはこれに対処すべく、1980年から2020年までの科学関連勘定への連邦歳出予算の詳細なデータセットを分析した。主に助成金付与に焦点を当てたこれまでの調査とは異なり、今回の分析では、科学や研究活動に関係する27連邦政府機関における171の歳出予算勘定の手作業で集めたデータベースを活用した。これは、毎年の予算編成手続きで認められた科学及び研究に関連する支出を全て網羅しており、これらの勘定には大学や外部研究者への助成金のみならず、民間企業との契約や連邦機関が実施した機関内研究も含まれている。

 

今回の結果として、連邦の科学資金が大方の推測よりはるかに複雑で、助成金は総歳出予算のごく一部に過ぎないことが示された。Furnasらによると、資金の大半は、助成金ではなく、契約を通じて民間企業に流れたり、政府機関内での研究に流れたりしており、連邦投資の全貌を把握するには、助成金付与以外も見る必要があることが浮き彫りになったという。また注目すべきこととして、Furnasらは、共和党は科学に非協力的であるという共通認識に反して、共和党が下院や大統領職を掌握すると、多くの場合、多数の政府機関で科学に対する歳出予算が増加することも発見した。民主党の掌握時と比べて、勘定科目当り平均数億ドルも多いことがしばしばあるという。重要なのは、資金の規模は党の権力とともに変動するものの、科学分野全体での助成金の配分はおおむね一定であることが示されたことである。しかし、Furnasらによると、分極化の拡大や一部の共和党政策立案者間の科学への信頼の低下を考えると、これまでの支援パターンはこの先のことを保証するものではないという。


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