News Release

痛みと暑さを避けるために重要な脂質を発見

エーテルリン脂質は、痛覚と温度覚のセンサー分子機能を保つ

Peer-Reviewed Publication

National Institutes of Natural Sciences

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This modulation is essential for maintaining normal somatosensory responses mediated by these sensory molecules. When ePLs are depleted, avoidance behaviors against mechanical stimulation and warmth temperature become blunted.

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Credit: Takaaki Sokabe

研究グループは、これまで感覚機能の研究ではあまり注目されてこなかったエーテルリン脂質(ePL)に着目し、 ショウジョウバエ(以下ハエ)の幼虫において、ePLの有無が、感覚機能に対して行動レベルで影響を及ぼすかどうかを調べました。

ePLを持たないハエで、接触刺激と温度刺激に対する反応がどのように変化するかを調べた結果、ePLを持たないハエ幼虫は、針でつつかれた時の逃避行動が弱くなっていること、また、生存に適さない暑い温度を避ける行動が弱くなっていることが分かりました。これらの結果は、ePLが、接触や温度の感覚受容において非常に重要であることを示しています。

つぎに、ePLが、接触刺激センサーであるPIEZOチャネルと温度センサーであるTRPA1チャネルの機能にどのように関わるか明らかにするため、培養細胞を用いて実験を行いました。その結果、ePLが細胞膜に無い場合、これらの感覚センサー分子の応答が鈍くなることが分かったのです。さらに、ePLが細胞膜にあることで膜の性質が変化することも明らかにしました。これらの結果から、ePLは感覚神経の細胞膜の性質変化を通して複数のセンサー分子の機能を調節し、個体が正しく逃避できるようにするために必要だということが明らかになりました。

曽我部准教授は「今回の研究で、特定の脂質が正常な感覚機能に重要な役割を持つことがわかりました。ePLやその合成酵素であるAGPSは人にも存在し、老化にともなって徐々に減少することが分かってきています。今後、人の感覚機能の劣化を防ぐための、脂質を使った新しい医療技術の開発に繋がっていくかもしれません。」と話しています。
 


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