image: Shown is a cross section through an atherosclerotic plaque of an LDLR knockout mouse fed a high fat diet for 12 weeks. The plaque is stained for senescence-associated beta galactosidase to visualize senescent (often referred to as "zombie") cells. Our research shows that these cells are present throughout plaque development. We find that at the earliest stages of disease, senescent cells propel plaque emlargement through the secretion of factors that attract circulating monocytes to the plaque. At advanced disease stages, senescent cells produce enzymes that dissolve the fibrous cap that overlays the plaque to give it stability, thereby promoting plaque rupture, coagulation of platelets at the site of rupture, full arterial occlusion and myocardial infarction. We show that drugs that eliminate senescent cells (referred to senolytics) inhibit plaque expansion and preserve the cap, giving plaques long-term stability. view more
Credit: Jan van Deursen and Bennett Childs
マウスを使った新たな研究によれば、老化したマクロファージは、アテローム性動脈硬化症の初期期と後期の段階に関与し、心血管疾患のもっともよくみられる駆動体であるという。疾患の初期段階で老化細胞を除去すると、アテローム性動脈硬化症病変の退縮が起こり、進行段階で除去すると疾患進行が抑えられた。このことは、これらの細胞が治療の標的となりうることを示唆している。アテローム性動脈硬化症では動脈内にプラークが蓄積し、それが血流を制限することがある。そして、プラークが破裂すると、凝血塊が生じ、心臓発作やその他心血管系の合併症につながることがある。以前の研究ではプラーク蓄積と細胞老化（細胞は分裂を止めているが、死んでいない状態）のマーカーとの関連がつき止められた。しかし、老化細胞が疾患に積極的に関与しているのか、関与しているならそれはいつか、は不明だった。老化細胞の役割をさらに詳しく探るために、Bennett Childsらはアテローム性動脈硬化症易発性マウスを研究した。マウスはある方法で遺伝子組み換えを行って、特定の薬剤を投与することで研究者が老化細胞を選択的に除去できるようにしていた。これらのマウスに高脂肪の食餌を与え、老化細胞を除去する薬剤を投与したところ、対照と同様の食餌習慣と血中脂質であったにもかかわらず、それらのマウスのプラークは対照より60%少なかった。高脂肪食餌を開始した直後にマウスの動脈を研究者が綿密に調べたところ、脂質で満たされた「泡状の」マクロファージを含む脂肪線条が血管内部に沿って生じていて、それが炎症性サイトカインの発現を引き起こしていたが、老化抑制（suppressed senescence）マウスではこれらの脂肪線条が低減していることが観察された。進行アテローム性動脈硬化症は、破裂しやすい不安定なプラークが特徴である。研究者はこのように進行した段階の疾患を有するマウスを研究し、プラークの不安定性というマーカーが対照と比べて老化抑制マウスで減少していることを見出した。これらの結果は、老化を妨害することで、早期および後期アテローム性動脈硬化症のいずれにも有用な効果が得られる可能性があることを示唆している。
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