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ダムを使う意外な方法で漁獲高が増加

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

メコンデルタをモデルとして使用した新しい研究により、食料生産高の増加に活用できる特定の水理学的なダムの流水パターンが明らかになった。それを採用すると、生産高は少なくとも短期的にはダムのない生態系と比較して最大ほぼ4倍になる。熱帯地方の多数の大河川では、雨季に降る雨によって洪水パルスが発生することで漁業および農業生産高が増え、1億5千万を超える世界の人々にタンパク質とビタミンが供給される。これらの河川の流水パターンは、世界の多くの人々にとって重要な電力源である水力発電のダムによっても大きく変えること可能であるが、そのように人工的に水の流れを変えることの効果はよく分かっていない。John Saboらは今回、ダムによる洪水パルスの制御により魚の個体数がどのように変化するかを突き止めようと、捕獲された魚の生物量やダム建設前の洪水パターンなど、1993~2012年にメコン川の横を流れる研究の進んだトレンサップ川で収集したデータを解析した。Saboらによると、漁場への影響が最も大きかったのは洪水の間隔、2番目が僅差で洪水パルスの規模であったという。Saboらの説明によると、理想的なシナリオは定期の洪水氾濫原の乾燥期間を人工的に長引かせ、続いて定期の洪水氾濫期に突然移行させるというパターンである。8年間にわたって最適な洪水パルスを採用した水理学に基づくダムをモデル化することにより、この設計では漁獲高はダム使用前の自然なシナリオの3.7倍になることをSaboらは発見した。関係するPerspectiveではLeRoy PoffとD. Oldenが今回の研究結果と、維持可能な漁場に向けて同様の脅威に晒されている他の河川にとっての政策の必要性と広範囲にわたる影響について考察している。

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