News Release

太陽表面の磁気再結合によってスピキュールが噴出する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、太陽のスピキュール(太陽大気の至る所から噴き出すジェット状のプラズマ)の起源について激しい議論が続いているが、新たな証拠によって、スピキュールは太陽表面近くで再結合する磁場同士の活発な相互作用によって形成され、高温の太陽物質をコロナに運んでいることが示唆されたという。常に、何百万個ものスピキュールが太陽表面から間欠泉のように噴出し、超高温の太陽プラズマの柱となって太陽大気中に立ち昇り、その後、崩壊して表面に戻ってくる。この非常に活発な渦巻く太陽現象は、地上からも1世紀以上前から観測されていたが、各スピキュールの持続時間(形成から崩壊まで)が数分しかないため、研究は困難だった。スピキュールは、太陽表面のエネルギーや物質が、さらに高温の上層大気(コロナ)や太陽風に移動することに関わっていると推測されている。しかし、著者らによると、スピキュールの起源とコロナの加熱におけるその役割はまだ不明なところが多く、これまでに提案されたさまざまな論理的説明に対しては激しい議論が続いているという。ビッグ・ベア太陽観測所のグード太陽望遠鏡(世界最大の太陽望遠鏡)を使って、Tanmoy Samantaらがスピキュールが出現する様子を観測したところ、針状の活動と磁場の活発な相互作用との間に関連があることがわかった。著者らは、優勢極性をもつ磁場内に逆極性をもつ部分が出現してから数分以内に、多くのスピキュールが発生することに気づいた。Samantaらは、2つの異なる磁場が新しい配置に戻るときに放出されたエネルギーによって、針状の活動が増大されるのではないかと示唆している。さらに、上を覆っているコロナを同時に測定した結果、この増大した活動の大部分において、高温のプラズマとエネルギーが太陽の上層大気に運ばれていることが実証された。

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