衛星データと説得力のある機械学習を組み合わせることにより、世帯の消費支出と収入を正確に予測する技術が開発された。こういったデータは貧しい国では特に少なく、収集も困難だが、研究や政策への情報提供として重要である。たとえば2000~2010年の世界銀行のデータによると、アフリカ59ヵ国のうち39ヵ国が貧困評価につながる十分な充実した調査を複数は行っておらず、そのうち14ヵ国は1つも行っていない。調査は費用が高く、実施頻度も低い上に、武力紛争などのために必ずしも国全体もしくは国内の地域全体を調査できるとは限らない。最近の一部の研究から夜間光度を捉える衛星データを使用して特定地域の資産の豊富さを予測できることは判明しているが、夜間光度データだけでは衛生画像が一様に暗い所得分布の最下位にある地域間を識別するには不十分である。この問題を回避するためにNeal Jeanらは昼の画像に注意を向けた。昼の画像の方が解像度は高く、舗装道路や金属屋根といった特徴、つまり貧困地域と最貧困地域の区別に役立つ目印を捉えることができる。次にNeal Jeanらはこういった特徴を分類する高度な学習アルゴリズムを開発し、複数の異なる妥当性確認方法により正確性がかなり高いことを証明した。この新しいモデルは夜間光度を使うモデルよりも貧困線を下回る地域の予測には81%、貧困線を2倍下回る地域の予測には99%優れている。重要なことに、この新しい方法は公開されている日中の衛生データを使用し、調査よりも頻繁に繰り返すことができ、コストも低い。さらに、ある国で「訓練された」モデルは別の国で使用できることが初期のエビデンスにより示されている。関係するPerspectiveでJoshua Blumenstockが最近貧困地域の特定に使用された方法と、Jeanらが開発したこの最新の方法がいかに社会プログラムが最も有効だと考えられる地域を特定するより正確な方法であるかを述べている。
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