News Release

おたふく風邪がなぜ米国で再興したのか?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

最近米国において流行性耳下腺炎が再興しているのは、ムンプスワクチンによる免疫保護が減弱したことによる可能性がある、と研究者が報告している。彼らによれば、そのモデル化研究の結果から、18歳でのブースター接種が耳下腺炎アウトブレイクの制御に有用である可能性が示唆される。1967年にムンプスワクチンが開発される前には、米国の小児および青少年の90%以上が20歳以前に、この苦痛を伴うウイルス性感染症に罹患していた。ワクチン接種の広範な導入により流行性耳下腺炎の発生率が数十年にわたり低下した後、2006年に米国の思春期および青少年における耳下腺炎症例の増加がみられた。ムンプスウイルスがワクチンの作用を回避するために進化したのか、あるいはワクチンによる免疫が経時的に自然に減弱したのか(この区別は、伝播を制御するために新たなワクチンが必要かどうかを決定するための情報を提供する)を明らかにするため、Joseph LewnardとYonatan Gradは、米国および欧州で実施された6つのムンプスワクチン有効性試験の疫学データを詳しく調べた。著者らは、ムンプスワクチンにより平均27年(範囲16~51年)にわたる保護が得られ、新興のムンプスウイルス株に対してはそれほど効果が続かないらしい、と結論付けた。伝播のモデルから、18歳でのブースター接種のルーチン使用は集団の免疫維持に有用である可能性が示された。著者らによれば、今回の結果は、このようなブースター接種の使用による利益の評価を行う臨床試験実施の必要性を強調している。

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