News Release

貯食する鳴禽類に見られる哺乳類に似た海馬の活動

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らの報告によると、エボシガラ(記憶力が非常によい小型の鳴禽類)は、哺乳類に似た神経機構で空間記憶を処理しているという。エボシガラのように貯食する鳥は記憶力が非常によく、餌を隠した場所を何千ヵ所も正確に覚えていられる。このため、空間記憶の教科書モデルや、認知能力の高い動物の象徴と見なされることが多い。空間記憶は脊椎動物の間では広く観察されているが、それに関与する海馬のような脳領域は、脊椎動物群ごとに解剖学的な違いがある。その結果、非哺乳類が記憶する際に使用する神経機構は根本的に異なると広く考えられてきた。自由に行動する鳥類の電気物理学的記録を用いて、Hannah Payneらはエボシガラとキンカチョウ(前者は貯食行動をする鳥、後者はしない鳥)の海馬相同器官における神経活動を分析した。Payneらは、エボシガラの海馬において、哺乳類に似た神経活動(鋭波リップルや解剖学的に構成された場所細胞など)を検出した。しかし、貯食行動をしないキンカチョウでは、エボシガラに比べて空間活動は弱く、数も少なかった。この研究結果から、空間記憶の根底にある神経機構は、鳥類と哺乳類とで差がなく、多様な海馬回路に保存されていることが示唆された。

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