News Release

ジカウイルスは、飛行機旅行者の急増後、2013年中に南北アメリカ大陸に到着した

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ブラジルの少数のジカウイルスゲノムの遺伝子配列決定によって、おそらくブラジルでウイルスが報告される1年以上前に、このウイルスが南北アメリカ大陸に1回だけ入ってきたことが推定された。このタイミングは、特にジカウイルス(ZIKV)が流布している地域からこの国への旅行者数の増加を伴う、ブラジルの文化的行事の主なイベントと関連している。この研究に使われたサンプルサイズは小さいが(7個のZIKV配列のみ)、現時点でこの新しいウイルスのことがほとんどわかっていないことを考慮すると、この研究は重要な結果を示している。ブラジルは空前のジカウイルス(2015年5月に初めて検出された)エピデミックのさなかにある。今回Nuno Fariaらが、ブラジルのジカ熱の進化と分子疫学の理解を深めるため、献血者、成人の致死症例、先天奇形と小頭症(赤ちゃんの頭部が予想される大きさよりはるかに小さくなるまれな疾患[Fariaら]。ZIKVが小頭症の原因であるかどうかを確定するための研究はまだ継続中であることに注意)の新生児各1例から、最近のブラジルでの大流行に関連した複数のZIKVゲノムのサンプリングを行った。Fariaらは、次世代シーケンシングを用いて7つのブラジルZIKVゲノムを作成し、これらの間にほとんど遺伝子の差異がないことを明らかにした。これらと既存のZIKVゲノムの比較解析により、南北アメリカ大陸にはジカウイルスの伝来がおそらく2013年5月から12月のいずれかの時期に1回のみあったと結論づけた。これは、ブラジルでウイルスが発見される12ヵ月以上前である。航空会社のデータから、この時期がジカ熱エンデミック地域からブラジルへの飛行機旅行者の増加のみならず、太平洋諸島でのジカ熱大流行の報告とも一致していることが明らかになった。本研究の予備的な結果は、赤ちゃんの小頭症との関連性を明らかにするものではない。

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