News Release

包括的な研究により細菌はヒトの腫瘍に広く存在し、腫瘍のタイプによって異なることが明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

様々なタイプのヒト腫瘍はそれぞれ、特有の細菌集団を有していることが、新たな研究により報告されている。この研究は、7つのタイプのヒト腫瘍について1,500を超える腫瘍を対象に微生物叢のプロファイルを調べたもので、これまでで最も包括的な腫瘍微生物叢の研究である。腫瘍内には、常に微生物に曝露されている組織(例、消化管)に由来する細菌が存在することは、以前から知られていたが、「無菌」の組織に由来する腫瘍内に細菌が存在するか否かは明らかではなかった。Deborah Nejmanらは、1,500を超える腫瘍のサンプルならびに隣接する正常組織のサンプルを収集した。サンプルには、黒色腫、骨および脳腫瘍など、これまでに細菌との関連が調べられていなかった腫瘍タイプが含まれた。細菌のDNA、RNAおよび蛋白質を検出するために様々な方法を用い、コンタミネーションを防ぐために厳格な措置を講じた結果、著者らはほとんどの腫瘍とその隣接する正常組織に細菌が存在することを見出した。腫瘍の種類によって特徴的な細菌叢が認められ、乳癌では特に豊富かつ多様な細菌集団の存在が示された。さらに著者らは、腫瘍内の細菌は癌細胞と免疫細胞の両方の内に認められることを見出した。特定種の腫瘍内細菌と他の因子、例えば患者の喫煙状態などとの間に興味深い関連が認められた一方で、腫瘍内細菌が腫瘍の発現、進行および治療反応に関与するのか、又もし関与するのであればいかにしてであるのかを明らかにするには、更なる研究が必要となろう。「腫瘍微小環境を包括的に理解することは、先が遠い目標であるが、癌進行の生体レベルの機械的機序モデルを構築するための不可欠のステップであり、もし成功すれば、癌の診断および診断ツールにおけるプレシジョンメディシンの第二の波を引き起こす可能性がある」と、関連するPerspectiveでChloe AtreyaとPeter Turnbaughは記している。

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