News Release

移動サイクル中すべて十分に保護されている渡り鳥はかなり少ない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究の結果によると、渡りの間を通して十分に保護されている渡り鳥はわずか9%という極めて低い割合であることが判明した。渡り鳥の種は資源の流れ、バイオマスの移動、栄養素の運搬、捕食者と被食者の相互関係、生態系全体の食物網に大きな貢献を果たしている。しかしこの30年間で主要な渡り経路全体において半数以上の渡り鳥が激減しており、渡り鳥が移動の際に頼っている地域を、よりしっかりと保護する必要性が強調されている。渡り鳥のための保護地域の現在の分布を調査するために、Claire Rungeらは渡り鳥1,451種の世界各地の渡り経路図を作成し、移動サイクルの少なくとも一部が十分な保護を受けていない地域である渡り鳥は91%の種に上ること、これに対して生息地が保護されていない留鳥種は55%であることを発見した。絶滅を危惧される渡り鳥にとって状況はさらに悪く、渡りサイクル全体が十分に保護されている種は3%に満たない。保護のレベルは国によって異なり、北アメリカとアジアは最もレベルが低いことが判明した。国の経済力は渡り鳥の保護の指標としては不十分で、国内総生産の低い中央アメリカの多数の国は渡り鳥の75%以上に対して目標を達成しており、カナダやアメリカでは渡り鳥のための保護地域カバー率は低いことが判明した。世界の渡り鳥の安全を守るには、より良い資源を供給すると同時に、既存の国際機構を通して、新規保護地域および拡大保護地域を対象に、保護をさらに強く効率を高めて管理し、国家間の調整も大幅に強化することが必要になるとRungeらは述べている。

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