News Release

症状発現前に乳児で自閉症を検出する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Detecting Autism in Infants Before Symptoms Emerge

image: Schematics representing brain scan signatures that predicted later autism diagnosis in infants. view more 

Credit: R.W. Emerson <i>et al., Science Translational Medicine </i> (2017)

新たな研究の結果によれば、脳スキャンにより生後6ヵ月という早い時点の乳児で、後の自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を予測する機能的変化を検出できるという。全世界において68人の子供のうち1人がASDに罹患していると推定されるが、ASDはコミュニケーション、反復行動、および社会的機能を遂行する個人の能力を障害するその他の症状を伴う持続的な問題を多くの場合に引き起こす、幅広い神経発達障害を含む障害群である。早期発見と行動介入によりASD患者のQOLを大きく改善することができると考えられるが、行動上の症状は、子供が2歳以降にならないと完全には現れない。今回Robert Emersonらは、生後6ヵ月の乳児における脳結合の信頼性の高い指標を、後の2歳の時点でのASD診断とほぼ100%の正確度で関連付けた。著者らはASDの家族リスクが高い乳児59例の脳のスキャンを睡眠中に行い、機能的結合磁気共鳴画像法(fcMRI)と呼ばれる画像法を用いて、230の脳内領域間の機能的結合26,335組に関するデータを収集した。乳児59例中11例は生後24ヵ月の時点でASDと診断され、著者らはこのデータを用いて機械学習アルゴリズムを適用して、11件中9件の診断を偽陽性なしに正確に予測した特異的な脳パターンを割り出した。この特徴が高い遺伝的リスクを有さない乳児にも当てはまるかどうかを明らかにするために今後の研究が必要であるが、著者らによれば、今回の所見は切望されているASD早期発見のための方法に向けた第一歩となる可能性がある。

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