News Release

高フルクトース・コーンシロップは腸癌マウスモデルの腫瘍増殖を促進する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究で、高フルクトース・コーンシロップを消費することで、遺伝的に腸癌を発症しやすいマウスの腫瘍増殖が促進されうることが明らかになった。これらのマウスの観察結果がヒト腸癌の発症と関連があるかどうかはこの研究では検討されなかったが、今後の研究に関する重要な疑問である。このマウスの研究は、高フルクトース・コーンシロップ(HFCS)で甘みをつけた飲料の大量摂取と肥満の関連性を明らかにしたヒトの疫学研究、および肥満と大腸癌(CRC)リスク上昇との関係に関する別の研究に基づき、行われることとなった。Marcus Goncalvesらは、肥満でない場合でもHFCSが腫瘍発生に直接関与しているかどうか検討を開始した。このために、遺伝的に腸管腺腫(大腸癌に進行しうる良性腫瘍)を発症しやすいマウスについて研究した。Goncalvesらは、マウスに中等量および大量のHFCSを与え、中等量のHFCSを消費したときでもマウスの腸腫瘍の大きさとグレードの劇的な増加が生じたことを明らかにした。また、この結果から、この増加が肥満とメタボリック・シンドロームのよくある交絡条件とは独立して生じたことが示された。Goncalvesらは次にこの影響の分子機構を調査し、マウスの腫瘍中の酵素がフルクトースをフルクトース-1-リン酸に変換し、これによって腫瘍細胞の代謝が変化して、腫瘍増殖を支持する脂肪酸が産生されることを明らかにした。将来の研究によってHFCSがヒトの腫瘍でも同様な増殖促進作用を持つことが明らかになった場合、この研究の知見は、フルクトース代謝を標的とした治療が大腸癌の発生と進行を遅延させる新しい戦略となりうることを示唆する。関連する動画で、この研究の2人の主著者の1人であるLewis Cantley博士がこの研究についてその限界も含めて詳細に語る。この動画は3月18日月曜日から視聴可能である。

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