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宇宙-地球間における量子もつれ配送の実証

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

中国の科学者らが、画期的な研究論文において、準軌道と地球の間でもつれた光子の伝送に成功したと報告した。さらに、成功した量子もつれ配送の以前の記録は100 km程度であったが、今回は、1,200 kmを超える距離が達成された。量子もつれ配送は、特に長距離に跨る場合、量子テレポーテーションおよび量子通信のネットワークにとって重要な意味合いがある。しかしながら、主として、光ファイバーまたは地上のオープンスペースを介して伝送される時、量子もつれが失われるので、量子粒子をもつれさせる試み、特に長距離にわたって量子粒子を「関係付けること」は、100 km以下に制限されていた。 この問題を克服する一つの方法は、伝送経路をより短い区間に分割して、光ファイバーにおける伝送中に繰り返し量子情報の交換、純化および格納を行うことであった。地球規模の量子ネットワークに対する別のアプローチは、レーザーおよび人工衛星に基づく技術を活用することである。2016年に打ち上げられた中国の人工衛星「墨子(Micius)」は、特殊な量子通信装置を搭載しているが、Juan Yin らは、この人工衛星を使用して、そのような優れた業績を実証した。この人工衛星を使用して、最大で1,200 km離れて中国を横断する3つの地上局と通信した。この地球を周回する人工衛星とこれらの地上局の間の距離は、500 kmから2,000 kmまで変化した。この人工衛星では、レーザー光線がビームスプリッターで分割され、レーザー光線が2つの異なる偏光状態になった。分割されたレーザー光線の一方は、もつれた光子を伝送するために使用され、もう一方は光子を受信するために使用された。このようにして、もつれた光子が1,000 km以上離れた異なる地上局間で受信された。

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