image: A graphical abstract of our findings. This material relates to a paper that appeared in the March 18, 2016, issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by M. Gomez de Agüero at University of Bern in Bern, Switzerland, and colleagues was titled, "The maternal microbiota drives early postnatal innate immune development." view more
Credit: Mercedes Gomez de Agüero, Stephanie Ganal-Vonarburg, Kathy D. McCoy, and Andrew J. Macpherson
妊娠中に、母親のマイクロバイオームが子の免疫系を形成することが、マウスを用いた新しい研究で示唆された。新生児の腸内細菌叢が免疫系に影響を与えることが知られているが、母親の微生物叢が子に影響を与えるかどうかはほとんど検討されていない。今回、Mercedes Gomez de Ag�eroらが、妊娠マウスの腸に、常在できないよう改変した大腸菌を一時的に感染させ、母親が出産時に再び無菌状態になるようにした。母親における一時的な大腸菌の定着は、子の免疫系に影響を与え、出生後、子は腸内に多くの自然リンパ球および単核細胞を有していた。妊娠した母親に他の8種類の微生物の混合物を一時的に定着させた場合にも同様な結果が得られた。対照と比較した、妊娠時のみに菌を定着させた母親から生まれた子のRNA解析から、細胞分裂と分化、粘液とイオンチャネル、代謝と免疫機能に影響を与える遺伝子を含む 多数の遺伝子がアップレギュレートされていることが明らかになった。菌が定着している妊娠マウスの血清を菌が定着していない妊娠マウスに投与したところ、母親の抗体が、母から子への微生物の分子伝達と保持を促進することが明らかになった。この研究の結果は、免疫機能に対する腸内細菌叢の影響を取り巻く文献が増えつつあるなか、それらに新たな驚くべき章を付け加えている。
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