News Release

COVID-19がアフリカにおけるがんの予防・制御に及ぼす影響

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

COVID-19のパンデミックがアフリカ襲ったとき、アフリカは既にもう一つの公衆衛生上の危機と格闘しているところであった。それは、年間に新たながんの症例が100万人以上発生し、約70万人が死亡するという、拡大しつつあるがんの流行である。Beatrice Wiafe AddaiとWilfred NgwaはPerspectiveの中で、アフリカにおけるがんの予防・制御に対してCOVID-19がもたらす重大な課題について、またいかにこれらの課題に対する取り組みが、投資の増大によって世界的にがん医療が改善し得る重要な機会となるかを論じている。今回のCOVID-19パンデミックが始まった時、多くのアフリカ諸国の政府は、すでに限られていた医療および保健のリソースを、がん患者から、SARS-CoV-2感染患者の治療およびCOVID-19拡大の抑制の方へと速やかに振り向けることを余儀なくされた。著者らによれば、多くのアフリカ諸国ががん予防の活動、例えば意識向上のための教育とアウトリーチ、早期発見のためのスクリーニング、およびワクチン接種といった、COVID-19の流行がなくても持続していたであろうギャップを埋めるための活動を縮小または停止した。さらに、国境が閉鎖されたために、病院に関わるリソースや専門的な診断検査の国際的な共有がほとんどできなくなった。WiafaとNgwaは、不可欠な医療リソースのこのような再配分は、必要である一方で、進行段階に至ってからのがん診断の遅延を増加させ、このことがアフリカ全土における死亡を増加させ得る、と主張している。しかし、多くのアフリカ諸国がこうした課題に取り組もうと対応していくにつれて、クラウドベースの教育や遠隔医療、地域の診断能力の拡大、ならびにより効率的な放射線療法の実施など、新たな機会が生まれている。著者らは、これらの領域における投資と施策の拡大により、がん治療へのアクセスが世界的に大きく高められる可能性があることを示唆している。

報道関係者の方に向けた今後の動向として、アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)のDirectorであるNorman E. Sharpless氏が2020年6月付のScience Editorialで、米国におけるがんのパンデミックによる死亡率から想定される影響についても関連を述べている。
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1290

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