秒単位で血液型を判定する迅速かつ正確な試験紙検査

研究者らにより、専用の設備を必要とせずに実施でき、より費用効果的な血液型判定戦略となり得る、迅速、正確で多用途の試験紙ベースの血液検査が開発された。3,550の臨床血液サンプルを分析したところ、この検査は99.9％を超える精度を示し、結果の不一致は極めて稀な血液型を含めた試験でのみ認められた。従来のマイクロプレート法やジェルカラム法は技術的に難しく、結果が出るまで時間がかかるのに対し、解釈の容易なこの検査では、簡単な2段階の処理で30秒以内に一般的なABO式およびRh式の血液分類がなされた。この検査を開発するために、Hong Zhangらは広く利用可能な色素であるブロモクレゾールグリーンと血清蛋白質との化学反応を利用した。研究者らは、異なる血液型マーカー（抗原）を認識する抗体を含有した試験紙上に少量のサンプルを塗布した。検査結果は目に見える色彩の変化として現れ、血液型抗原が存在する場合はティールブルーを示し、存在しない場合はブラウンを示す。この検査により、わずかに余計に時間がかかった（しかしそれでも2分以内）ものの、複数の稀な血液型を同定できた。さらに、研究者らは分離膜を組み込んで全血から血漿を分離することにより、血液細胞の凝集の仕方に基づいた特定の複数の血液細胞抗原の特定および血漿中抗体の検出（いわゆるオモテ検査とウラ検査）が同時に可能になり、いずれも遠心分離は不要であった。著者らは、この検査の迅速な検出時間は、紛争地帯、遠隔地域、および緊急時などの資源の限られた状況で理想的であると考えられる、と述べている。

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