News Release

マヨナラモードではなく、アンドレーエフ状態に起因するフルシェル半導体・超伝導体ナノワイヤにおけるゼロバイアスピーク

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは、マヨナラ束縛状態(トポロジカル量子計算の基礎となる可能性のある稀な準粒子)の存在を示すと思われた特徴が実際には捕捉しづらいマヨラナ粒子に起因するものであることをフルシェル半導体・超伝導体ナノワイヤにおいて確認することができなかった。むしろ、ゼロバイアスコンダクタンスピークとして知られているこの特徴は、これらのハイブリッドナノワイヤ構造において他の量子現象から発生し得ると今回の著者らは述べている。マヨナラゼロモード(MZM)のあるトポロジカル超伝導状態をナノワイヤベースの半導体・超伝導体ハイブリッド系から作り出すことができるという予測から、近年では、ナノワイヤベースの半導体・超伝導体ハイブリッド系について集中して研究が行われている。そのような基盤におけるいくつかの実験では、MZMに対応する特徴について報告されているが、マヨナラ粒子の存在が実証されているとの解釈には疑問が投げかけられている。アンドレーエフ束縛状態として知られる量子状態はそのような構造の超伝導ギャップ内で出現し得るが、アンドレーエフ束縛状態によってMZMが模擬され得ることが研究から示されている。Scienceに掲載された2020年のある研究では、トポロジカル超伝導を実現する、つまりマヨナラ束縛状態を発見するために、別の基盤が紹介されている。超伝導シェルに完全に包まれた半導体ナノワイヤにおいてマヨナラモードを発見することができるとこの研究では提案されている。今回の論文では、Marco Valentiniが、そのようなナノワイヤ系による実験について報告している。しかしながら、著者らは、希望したとおりにMZMを確認する代わりに、観測したゼロバイアスピークはこれらの系におけるアンドレーエフ準位から生み出されたものであること発見した。Valentiniらによると、今回の発見はこのような系におけるトポロジカル超伝導に対する評価にとって重要な実験パラメータを制約することに役立っているという

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