News Release

なぜ現代の狩猟採集民は一緒に生活する親族の数が少ないの

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Authors Explain Research Findings

video: This is a short video in which the authors of the Dyble et al. paper explain the findings of their research. view more 

Credit: Credit: Rodolph Schlaepfer

このニュースリリースには、英語で提供されています。

新しい研究によると、狩猟採集民グループ内で男女両方に共同生活者を選択する権限がある場合、 個々の狩猟採集民キャンプにおける血縁者の数が減るという。この結果は、狩猟採集民は親族と 一緒に生活することを非常に好むにもかかわらず、なぜ集団内に親族でない者を大勢含むように 発展してきたかという、長年の謎を解き明かすものである。これまでの研究では、狩猟採集民グ ループ内に親族が少ないことの要因の 1 つとして、夫婦になると家族を残して家を出るような夫 婦の結び付き、つまり生涯にわたる一夫一婦の関係が注目されてきた。今回、 M. Dyble らは、狩 猟採集民がこのような居住形態をとるようになった経緯をさらに深く理解するために、行動のモ デルを作成した――モデルは 2 種類あり、 1 つは所帯をもつ場所に関して狩猟採集民の夫と妻の 両方が同等の権限をもつモデルであり、もう 1 つは夫婦の一方だけが権限をもつモデルである。 Dyble らは 、男女両方が生活場所について決定権をもつ場合、夫も妻もキャンプにおける自分の 親族の数を最大限増やそうとするので、男性あるいは女性だけが決定権をもつ場合よりも、コミ ュニティ内の近縁者の数はかなり少なくなることを見出した(アフリカとフィリピンにある 2 つ の現代狩猟採集民社会のデータは、モデルと厳密に一致した)。研究者によると、男女平等によ ってキャンプ内の人々の血縁性は常に弱まるようだが、重要なのは、その結果として親族が 1 人 以上住んでいるキャンプの数が増えるので、資源や戦争のような複雑な要因がなくても、グルー プ間の協力と情報交換の道筋ができるという。この研究は、人間社会の発展と行動進化を現在理 解するうえで、重要な役割を果たすものである。

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Article #11: "Sex equality can explain the unique social structure of hunter-gatherer bands," by M. Dyble; G.D. Salali; N. Chaudhary; A. Page; D. Smith; J. Thompson; L. Vinicius; R. Mace; A.B. Migliano at University College London (UCL) in London, UK.


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