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デング再感染がより危険になる抗体価の範囲が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たな研究により、再感染をした時に感染者のデングウイルスに対する反応を増強する抗体価の決定的な範囲が明らかにされた。長いこと、体内にデングウイルスに対する抗体があるレベルで保持されていると、ウイルスへの再曝露が疾患の悪化につながるのではないかと考えられてきた。このことは、実験の結果や動物モデルから示唆されているが、ヒトではまだ直接観察されていなかった。今回の研究は、デングおよびジカなどの近縁のフラビウイルスに対するワクチン開発の取組みにとって重要な意義をもつ。世界的に、毎年何百万人もの人々がデングウイルスに感染しており、最も重症度の高い症例はデング出血熱/デングショック症候群(DHF/DSS)に至り、血液漏出と臓器不全をきたし得る。2004~2016年に、Leah Katzelnickらはデングウイルスへの曝露と抗体(特定の病原体を中和するために免疫系が利用する蛋白質)のレベルが様々に異なる8,000人を超える小児を対象にデングウイルスの影響を検討した。その結果、DHF/DSSを発症するリスクは、抗デングウイルス抗体のない小児でも、抗体レベル(抗体価)が高い小児でも同程度であることがわかった。しかし、ある範囲の抗体価が認められる小児では、曝露歴のない小児や抗体価が高い小児と比べて、DHF/DSSを発症する確率が7倍高かった。したがって、リスクを最高に高める抗体のレベルまたはそれに近いレベルを誘導するワクチンは、ワクチン接種を受けたことのない場合と比べて重症デング熱のリスクを高める可能性がある、と著者らは述べている。

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