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公的資金を受けた研究が民間セクターの重要な基礎を築く

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

米国国立衛生研究所(NIH)の研究助成金のうち、10%近くが特許に直接つながり、30%以上が後に特許に引用されるような論文につながっていることが、新しい研究によって明らかになった。Danielle Liらが取り上げているこの結果は、NIH(この機関は20%近い予算削減案を突きつけられている)から資金を受けた研究が、幅広い技術的・経済的利益に向けて貢献することの重要性を強調するものである。著者らは、助成金の対象が「基礎」研究か「応用」研究かということと、特許への引用のされやすさとの間に実質的な関連はないことも見いだした。科学分野への公共投資によって得られた知見は、自由に利用できることを想定している場合が多いが、その知見が利用されたか否かや、だれによって利用されたかを追跡するのは難しい。公的資金を受けた研究開発(R&D)がもたらす利益の評価をさらに難しくしている2つの要因は、発見からその応用が実現するまでの時間のずれと、発見がある科学分野から別の分野へ波及するスピルオーバー(溢出)効果である。Liらは財政的支援がもたらす利益について理解を深めるために、NIHが1980~2007年の間に支給した365,380件の助成金(この期間のほぼ全件)を分析した。彼らは、これらの助成金の8.4%が米国特許に直接つながっていることと、31%が特許に引用されるような研究につながっていることを見いだした。間接的に関連している特許があるということは、公的資金を受けた科学研究が民間セクターのR&Dの基礎を築けば、さらなる影響力を持ちうることを実証している、と著者らは述べている。

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