image: This is Takayuki Kojima with the catalytic measurement system. view more
Credit: Tohoku University
【発表のポイント】
「ホイスラー合金」という特殊な合金群において優れた触媒を発見。
貴金属代替触媒を開発できる可能性。
構成元素の調整により触媒機能をチューニング可能。
合金の触媒機能のメカニズム解明につながる可能性。
【概要】
近年、整数組成比で規則的な原子配列を有する「金属間化合物」がユニークな触媒機能を示すことから新規触媒として注目を集めています。金属間化合物の一種である「ホイスラー合金」は、磁性・スピントロニクス材料、熱電材料および形状記憶合金として有名ですが、触媒としては無名でした。
元々磁性材料を専門とする学際科学フロンティア研究所の小嶋隆幸助教は、本合金の触媒としての可能性に着目し、多元物質科学研究所の蔡安邦教授および亀岡聡准教授と共同で研究を進め、アルキンの選択水素化反応に対して優れた触媒になることを発見したとともに触媒機能の精密制御が可能であることを示しました。さらに、鹿児島大学の藤井伸平教授および物質・材料研究機構の上田茂典主任研究員と協力して機能性のメカニズムに迫りました。
本成果は貴金属を用いない高機能触媒の開発につながるとともに、不明な点が多い金属間化合物の触媒機能のメカニズム解明にも貢献すると期待されます。なお、成果の詳細は米科学誌Scienceの姉妹誌である「Science Advances」にオンライン公開されました(2018年10月20日)。
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Journal
Science Advances