News Release

ペチュニアの香りの意味を解明する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは、ペチュニアの花がその香りを放出することを助けるカギとなる蛋白質を明らかにした。花が放出する化合物は私たちにとって素晴らしい香りであるが、単に快い香りにとどまらずにはるかに多くの役割を担っている。揮発性有機化合物(VOC)は、花粉媒介者および種子散布者の誘引、草食動物や病原体に対する地上および地中防御、植物‐植物相互作用において、場合によっては競合植物の成長や繁殖の妨害においても重要な役割を果たす。しかし、VOCが植物の細胞膜で能動輸送されるのか、または単に拡散されるのかは現在も明らかでない。今回Funmilayo Adebesinらは顕花植物であるペチュニア(和名ツクバネアサガオ、Petunia hybrida)のRNAシークエンシングデータを用いて、ある日の蕾段階と翌日の開花段階における蛋白質発現の変化を明らかにした。両段階はペチュニアにおいて、それぞれVOCの放出が最も少ない段階と最も多い段階と発達段階に対応する。著者らは、ペチュニアがVOC放出の高い段階に移行した時に、PhABCG1という蛋白質を同定した。これは、細胞膜で化合物の輸送を助けると予測され、ほとんど開花した花弁でのみ発現される蛋白質である。著者らがPhABCG1の発現レベルを70~80%低下させたところ、VOCの総放出量が52~62%減少した。この結果から、PhABCG1が細胞膜におけるVOCの主要な輸送体であることが示唆されるが、今後他の輸送体を明らかにする必要がある。Franziska EberlとJonathan Gershenzonは、関連するPerspectiveでこの結果について詳細に論じている。

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