約6,600万年前、地球では恐竜の君臨が終わり、哺乳類の繁栄が始まった。地球を支配する分類群のこの変化はよく知られているが、詳細は依然として分かっていない。今回それが変わろうとしている。新しい研究でコロラド州中央部のコラールブラフス(Corral Bluffs)の岩場に埋もれていた化石群について説明され、地球の陸生植物および動物種が白亜紀 ―― 古第三紀境界の大量絶滅(KPgE)後にどのように回復したかについて、これまで知られていなかった詳細が明かされた。この大量絶滅を生き延び、地球を受け継いだ陸生植物と動物の化石は非常に珍しい。Tyler Lysonらは、膨大な量の化石が埋もれたコロラド州デンバー盆地の地層の調査を行った。そこで発見された化石から大量絶滅直後の数百年間における分類学的および生態学的回復の詳細が分かり、植物・動物・気候の間で活発な相互作用があったことが判明した。Lysonらによると、哺乳類の体の最大サイズはKPgE後に300 kaで3倍の大きさになり、巨大な花の種も増えたという。このように、大量絶滅後の生態的回復の詳細な記録からは、私たちが現在直面しているものも含めた壊滅的な絶滅イベント後の生態系の回復を予測するための重要な洞察が得られると考えられる。
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