News Release

不可解な形状をした火星のデューン

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

小さな砂紋「リップル」と大きな砂丘「デューン」の中間の大きさをした、地球上では見られない種類のデューンが火星で見つかった。デューンは長い期間をかけて岩石中に保存されることがあるので、こうした不可解な堆積物を手掛かりに、火星大気が快適な状態から現在のような厳しい乾燥気候へと進化した様子を洞察することができる。地球上では、風や水が砂の上を通り過ぎると、大きなデューンか小さなリップル(こうした起伏形態をまとめて「ベッドフォーム」という)のいずれかが形成される。今回、マーズ・リコネッサンス・オービターと探査車キュリオシティから得られた画像を併用して、Andre Lapotreらは火星のベッドフォームの画像を分析した。彼らが分析した堆積物は実際は砂の上を吹く風によって形成されたものだが、そのデューンの形状や間隔は水中にできるリップルに似ていた。彼らは数十年にわたる地球上での水路実験をもとに、水中にあるリップルの波頂と波頂の間隔を予測するためのスケーリング関係式を作成し、最終的には、新たに発見された火星の風によるリップルの間隔が、この式で正確に予測できることを示した。こうした堆積物は地球上では見られないような大気条件で形成されるものであり、彼らはそれを「風の抵抗によるリップル」と名付けた。Lapotreらはこうしたリップルの大きさが大気密度によって変化したことも示すのにも成功し、火星の堆積岩の観測結果を用いて、長期にわたる火星大気密度の全球的変化を調べる方法を編み出した。

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