News Release

はやぶさ2が小惑星リュウグウの年齢及び表面粘着性の理解に及ぼした大きな「インパクト」

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

探査機「はやぶさ2」に搭載された衝突装置を使って、テニスボールよりわずかに大きい銅の砲弾を地球近傍小惑星「リュウグウ」に向けて発射し、表面に人工衝突クレーターを形成した結果、小惑星の年齢や組成について理解が深まったという。この結果は、別のラブルパイル小惑星(破片が集積してできた小惑星)の表面年齢を推定する際にも、情報を提供するものである。はやぶさ2は、地球と火星の間を公転している岩石質の地球近傍小惑星リュウグウに軌道爆撃を加え、地下の新鮮な物質を露出させて、リモートセンシングやサンプリングを行う計画だった。はやぶさ2の搭載型小型衝突装置(SCI)で衝突を起こしたところ、破片が集積したリュウグウの表面に直径約10メートルの穴が開いた。その結果、人工クレーターが形成されると同時に、噴出物質が円錐状に広がり、その様子を探査機のカメラが詳細にとらえた。リュウグウのような小惑星に生じるクレーターの数や大きさは、今後の研究において小惑星表面の年齢や特性を特定するのに利用できる。しかし、こうした研究を行うにはクレーター形成の仕組み(クレータースケール則)を全般的に理解する必要があるのだが、クレータースケール則は室内実験や数値シミュレーションから導かれる場合が多い。今回、荒川政彦らはSCIの衝突実験から得られた観測結果を用いて、クレータースケール則を検証し、リュウグウ表面の特徴を調べた。荒川らは人工衝突クレーターについて、半円形をしており、縁が盛り上がり、中心がくぼみ、噴出物のパターンは非対称だと述べている。非対称なのは、おそらく衝突地点の近くに大きな岩が埋まっているせいだと考えられる。この結果から、このクレーターが生じたのは、クレーターの大きさが局所的な重力場によって制限されるような、重力が支配する状況だったことが示唆される。著者らによると、この発見はラブルパイル小惑星の表面年齢の推定に重要な意味をもつという。既存のモデルによる推定からは、リュウグウ表面の年齢が2種類得られていたが、SCIクレーター形成の仕組みに関する著者らの結論は、若いほうの推定年齢を支持するものだった。さらに荒川らは、リュウグウの表面がゆるい砂に似た粘着性のない物質から成ることも示唆した。

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