video: New discovery could lead to carbon monoxide (CO) poisoning antidote in humans. This material relates to a paper that appeared in the Dec. 7, 2016, issue of Science Translational Medicine, published by AAAS. The paper, by I. Azarov at Vascular Medicine Institute, University of Pittsburgh in Pittsburgh, Pa., and colleagues was titled, "Five-coordinate H64Q neuroglobin as a ligand-trap antidote for carbon monoxide poisoning." view more
Credit: University of Pittsburgh Medical Center
数分以内に一酸化炭素(CO)を捉えて血流から取り除き、このよくみられる「サイレントキラー」からマウスを守る捕捉分子がデザインされた。この分子は将来、自宅や病院で救急医療隊員が迅速に投与できる、CO中毒の注射用解毒剤となるかもしれない。車、ストーブ、その他のエンジンの燃料燃焼の有毒な副産物であるCOは、世界の中毒死の主因となっており、米国だけでも毎年約50,000人が救急治療室に運ばれている。無色で匂いのないこのガスは、酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンに固着し、重要な臓器への酸素の到達を妨げる。Ivan Azarovらは、現時点では存在しない解毒療法の探索において、ニューログロビンと呼ばれる脳内のヘモグロビン様タンパク質に目を向けた。Azarovらはこの分子に手を加え、ヘモグロビンがCOと結合するよりも約500倍強くCOに結合するようにした。ニューログロビンは酸素にも結合するが、改変版のニューログロビンは酸素よりもCOに約1000倍強く結合する。このことは、この危険な化合物を選択的に標的とすることを示唆している。致死濃度のCO中毒に曝露したマウスに注射したところ、改変ニューログロビンは数分以内に赤血球からCOを除去し、血中から迅速に消失させて尿中へと移動させ、生存を改善し心拍数や血圧を正常に回復させた。捕捉分子は、CO中毒によく使用される治療法である純酸素療法よりも強力であることが実証された。著者らは、大型の動物モデルでこのCO解毒剤の安全性をさらに検討する必要があることを強調している。
###
Journal
Science Translational Medicine