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巨視的スケールにおける量子もつれの直接的観測及び測定

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

量子力学によって課される通常の制限を超えて、2つの研究では、巨視的な機械振動子における量子もつれを実証し、乱れを引き起こすことなくどのようにして量子力学的な運動量の正確な測定を達成することができるかを示している。お互いに異なるか、または別々であるとしてもはや説明できなくなるような程度の類似性で、2つの別々の異なる対象が動く時、力学系の量子もつれが出現する。以前は、このような力学系などの観測は、概して、少数の単一のイオン、原子および光子などの量子力学における微視的スケールのものに限定されていた。しかしながら、理論的には、量子力学はすべての大きさの対象にも適用される。これらの2つの研究において、Shlomi Kotlerら及びLaure Mercier de Lépinayらは、2つの巨視的スケールの量子力学的現象の直接観測の実験例について報告し、量子状態の測定を巨視的系に拡張する能力を実証している。その報告において、Kotlerらは1対のマクロスケール振動膜を使用して、量子もつれの証拠を示している。見かけは小さい(これらの膜各々は、直径が約10ミクロン及び重量が約100ピコグラムである)が、以前の量子もつれの対象の例よりはるかに大きい。Mercier de Lépinayらは、同様に巨視的な 機械振動子を使用して、量子力学的な運動量を乱すことなく、どのようにすれば量子もつれを測定することが可能になるかを示している。量子力学によって課される通常の制限を超えて、量子もつれ及び測定の直接的証拠を実証することに加え、これらの両グループのアプローチによって、量子コンピューティング及び基礎物理学に関する測定向上が広範囲にわたり影響を受ける可能性があるとHoi-Kwan LauとAashish Clerkが関連するPerspectiveにおいて述べている。「実用的な用途とは別に、実験によって量子力学的現象をどの程度まで巨視的領域において実現できるかがこれらの実験では扱われている。」

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