News Release

特集号:アポロ11号の月面着陸50周年

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

50年前の1969年7月、アポロ11号の着陸機が月面に着陸し、人類が地球以外の天体に初めて足跡を残した。今回、ScienceのSpecial Issue、Review、Policy Forum、Scienceニュース部門のFeature、Science編集長Jeremy BergによるEditorialでは、月面着陸の科学的影響がその後の月探査の可能性を広げたとして、着陸50周年を祝っている。

Richard CarlsonによるReviewでは、アポロなどの月探査ミッションで地球に持ち帰られた月試料を研究することで可能になった、数々の発見と惑星科学への貢献を取り上げている。地球は地質学的活動が非常に盛んなため、地表の物質はほぼすべて再利用・再編成されて新しくなっている。その結果、地球の初期から残る痕跡はほとんどなく、最近の地質学的イベントから痕跡を識別するのは難しい場合が多い。しかし、月の地形は、太陽系が誕生した40億年以上前から保たれている。アポロの着陸以前は、惑星は小惑星大のデブリがゆっくりと集積した結果、低温で形成されたというのが通説だった。しかし、月で採取した試料によって、高エネルギーの衝突と全球規模での岩石・鉱物の溶融を特徴とするような、動的ではるかに激しい過程が明らかになった。月試料は、月面におけるクレーター形成の年代記録を作成するのに使用されてきた。この記録は、内太陽系の他の惑星表面における年代を推定し、惑星と宇宙環境との動的な相互関係を知るうえでの基礎となった。分析技術・技法は進歩し続けているため、Carlsonは、半世紀前に地球にもたらされた月試料は、地球以外の天体の形成や地質に関して、新たな見識を提供し続けるだろうと述べている。

ChunlaiらによるPolicy Forumでは、ごく最近の月探査ミッションをいくつか取り上げている。今年の初め、中国月探査計画(CLEP)の着陸機「嫦娥4号」と月面ローバー「玉兎2号」が月の裏側に着陸した。著者らは、中国の月探査計画について論じるとともに、宇宙技術の進歩と国際協力によって月を理解する、というその目標についても論じている。まだ初期段階だが、これまでに実施されたCLEPの4つの月探査ミッションは、次に続く月探査の基礎を築いた。著者らによると、今後10年以内に次のミッションを実施すべく準備が進んでおり、CLEPは月面をロボットと人間の両方で探査できるようになるだろうという。

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