News Release

2016年米国大統領選挙時のツイッターにおける非常に一方に集中して保守寄りだったフェイクニュースとの関わり合い

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは、有権者登録した16,000人超の米国人が2016年米国大統領選挙においてどのようにツイッターのフェイクニュース発信源と関わり合ったか研究することによって、フェイクニュースとの関わり合いが非常に一方に集中していたと報告している。フェイクニュース発信の圧倒的多数がごく一部のツイッター利用者によって占められており、多くは年配で、保守的であり、政治活動に携わっていたと言っている。すべての集団にわたって政治ニュースの発信は圧倒的多数がフェイクニュースでないポピュラーな発信源からそれでも来ていることが過去の研究と同様に本研究によって示されており、「安心させられる」と今回の論文の著者たちは述べていて、2016年米国大統領選挙においては事実に基づくニュースよりフェイクニュースの方により多数が関わり合っていたとの主張と著しく異なっている。2016年米国大統領選挙シーズンにおいて急に注目を浴びること、ソーシャルメディアにおける誤報の共有を説明するためのフェイクニュースという概念は、急速に現代の時代精神に深く根付いている。このテーマについて新たに開発されている研究では、社会に対するより広範な影響について説明しようとの試みが行われている。しかしながら、ソーシャルメディアのデータを通して人の行動を測定するという難題によって複雑化され、自動化された「ボット」アカウントが果たす役割によってさらに分かりにくくされているため、この現象の範囲および規模を完全に理解することは困難であった。これらの難題を克服し、現実の人間とフェイクニュースとの関わり合いをより良く理解するために、Nir Grinbergらは、有権者登録に関する公文書に結び付けられたツイッターデータを活用して、2016年8月~12月(米国選挙シーズン)の間に16,442件のアカウントによって発信されたツイートを研究した。今回の論文の著者らは、正当に作成されたニュースを装う罠を備えているが、「報道機関としての編集上の規範を欠いている…」のがフェイクニュース発信源であると定義する過去の研究に従って、フェイクニュースを定義している(したがって、「フェイクニュースであること」の属性は、記事のレベルではなく発行者のレベルにある)。Grinbergらが発見したところによると、Grinbergらが研究したツイッター利用者の約1%だけによってフェイクニュース記事公表の80%が占められていた。さらに、共有されたフェイクニュースの81%が0.1%のツイッター利用者によるものであった。大多数の人々、複数の政治的スペクトルに跨る有権者にとって、政治ニュースは事実に基づく報道発信源から発信されていた。

関係するPerspectiveでは、Derek Ruthsが誤報に関する大規模研究の文脈に関してGrinbergらの研究を考察している。Ruthsによると、複数の研究によって競合する見解が報告されていると思われる場合でも、実際には補完的であることがしばしばあり、「複雑な誤報製造装置」として記述され得るものの単一の歯車の歯について各々の研究によって洞察が得られる。類似する研究から相反する結果が得られる場合、フェイクニュースの定義方法について全般的な合意の欠如していることに起因していることがあり得る。Grinbergらはフェイクニュース発信源およびそれらの発行に関する慣行に注目することによってこの問題に取り組んでいるが、Vosoughiらは、これまたScience誌において発表された最近の研究において、代わりに個々のフェイクニュース記事に注目していた。これらの研究の各々から相反する結論が得られている。しかしながら、誤報を1つのプロセスとして見た時、これらの2件の研究を総合すると、より詳細な筋書きが述べられることをRuthsは実証している。すなはち、特殊な小さな団体がフェイクニュース発信源と関わり合っていることと発行者のジャーナリズムに関する基準のレベルが低い場合、誤報が作成される可能性がはるかに高いことがGrinbergらの結果から示唆される。フェイクニュース記事が一度作成されると、事実に基づく記事より大きな影響および高速で拡散されることを示すことによって、Vosoughiらはこの軌道を引き続き進んでいる。フェイクニュースの入手および共有に関する保守層の傾向もGrinbergらの発見から示されている。しかしながら、Ruthsはこれらの結論が見かけほど単純ではないことを指摘しており、リベラル層もまた未だに明らかにされていない方法で誤報の埋め込みおよび拡散を行っているというより可能性の高い筋書き、フェイクニュースを誤報のより大きな体系の文脈に置くことの中核となることについて理解することを提案している。

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