News Release

腸内細菌の大腸組織侵入を防ぐメカニズムを解明

Clue to the development of drugs for ulcerative colitis

Peer-Reviewed Publication

Osaka University

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Credit: Osaka University

大阪大学大学院医学系研究科感染症・免疫学講座(免疫制御学)/免疫学フロンティア研究センターの奥村龍特任研究員、竹田潔教授らのグループは、腸管上皮細胞に発現するLypd8という蛋白質が鞭毛※4 を持つ腸内細菌(有鞭毛細菌)の侵入を抑制し、腸管炎症を抑えるメカニズムを突き止めました。 近年患者数が増加の一途をたどる潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の原因の一つとして、腸管上皮によって主に形成される腸管粘膜バリア※5 の破綻が考えられています。おびただしい数の腸内細菌が存在する大腸においては粘膜バリアの一つである粘液層※6 が厚く表面を覆っており、腸内細菌が容易に大腸組織に侵入できないことがわかっていますが、どのように細菌の侵入を抑えているかはよくわかっていませんでした。 そこで、本研究では、大腸上皮細胞に特異的に高く発現しているLypd8遺伝子を欠損したマウスを作製しました。野生型マウスでは腸管の内粘液層はほぼ無菌状態に保たれていますが、Lypd8遺伝子欠損マウスでは、内粘液層に腸内細菌が多数侵入し、腸炎の実験モデルにおいては野生型マウスと比較して重篤な腸炎を発症することを見出しました。また、Lypd8 は高度に糖鎖で修飾されるGPIアンカー型蛋白質※7 で、大腸管腔に分泌され、特に鞭毛を持つ腸内細菌に結合し、運動性を抑えることで細菌の侵入を防止していることが明らかになりました。 潰瘍性大腸炎は、現在根治的治療がなく、発病原因のさらなる解明と新規治療開発が急務とされています。今後、Lypd8蛋白の補充療法などの粘膜バリア増強による潰瘍性大腸炎への新たな治療法の開発が期待されます。 本研究成果は、2016年3月30日(水)18時(英国時間)に英国科学誌「Nature」のオンライン版で公開されました。

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