News Release

無料で利用できる新規ニューラルネットワークは蛋白質折り畳みを正確に予測する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らが、RoseTTAFoldというニューラルネットワーク法により、DeepMind製のAlphaFold2で達成されたのと同様の正確度で蛋白質モデリングができることを、新たな研究で発表している。これに加えて、この強力なツールのコードは、パブリックサーバとともに、科学者が無料で利用できるようになっている。蛋白質は生命とその機能にとって、ほとんど全ての生物学的プロセスにおいて基本となる構成要素であり、生体の三次元(3D)形状に直接関係している。しかし、蛋白質のアミノ酸配列のみからその3D形状を決定することは、長いこと課題となってきた。最近、蛋白質構造予測評価会議CASP14において、英国ロンドンに拠点を置くDeepMindがAlphaFold2という名の新しい人工知能(AI)ネットワークを発表した。これは、蛋白質形状の予測において、X線結晶構造解析や低温電子顕微鏡(cryo-EM)などの高価で時間のかかる実験法を用いた場合と同様の正確度を示すという、特筆すべき能力を示した。公表されているコードや方法がないことから、AlphaFold2の能力は、こうした高い正確度が、世界の第一線にあるディープラーニング開発企業以外で開発される他のシステムでも達成可能なのかという疑問を提起した。今回Minkyung Baek、David BakerらはRoseTTAFoldというAIネットワークを発表した。これは、DeepMind製のAlphaFold2に近い構造予測能をもつが、使用される計算処理の能力と時間はごくわずかである。AlphaFold2および著者らのCASP14法について報告されている方法上の進歩に基づいて、Baekらは、1Dの蛋白質配列情報、2Dの距離マップ情報、および3Dの原子座標情報を統合し、同時に処理する3トラックから成るネットワークを開発した。予測能の正確度が高いことに加えて、RoseTTAFoldネットワークは高度な蛋白質構造モデリングの問題を素早く解決することもでき、現在構造が不明な蛋白質の機能に関する知見をもたらしてくれる、と著者らは述べている。

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