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系外惑星の内部は地球に似た地球化学的性質をもっている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、一部の系外惑星の内部は地球に似た地球化学的性質をもっており、太陽系外の岩石が太陽系内の岩石と同じような酸化状態、つまり酸素フガシティをもつことが判明したという。この結果は、遠方の恒星を周回する一部の岩石系外惑星が、地球や火星と同じような内部特性をもつことを示唆している。Alexandra Doyleらは、岩石天体の衝突によって白色矮星の大気に残された元素を調べることにより、遠方の岩石の地球化学的性質を探ることに成功した。太陽系のほとんどの岩石物質は、酸素フガシティ(fO2)と呼ばれる酸化の度合いが高い。これは、太陽の周りで原始惑星の岩石が形成された最初期段階の状態を反映しているからである。fO2は、大気組織をはじめとする惑星全体の地球化学的・地球物理学的特性に影響を及ぼしている。しかし、系外惑星でこうした特性を測定することは難しいうえに結果が不確かな場合が多いため、太陽系の惑星形成物質を酸化したのと同じ過程が、他の恒星系でも起こったかどうかはこれまで不明だった。白色矮星(WD)は死を迎えた恒星の中心核が燃え尽きて高密度になったものであり、重力が強いせいで、WDの表面大気はほぼすべてが水素やヘリウムといった最も軽い元素から成るはずである。しかし一部のWDは、WDに衝突した岩石系外惑星や小惑星によってもたらされた、マグネシウや鉄や酸素などのもっと重い元素によって「汚染」された大気をもつことが確認されている。汚染された6つのWDを分光観測することにより、Doyleらが太陽系外の岩石の構成元素を調べたところ、その岩石中に酸化鉄が豊富に含まれることが明らかになった。その結果から、元の系外惑星の内部を含む全岩化学組成を探ることができる。ずっと前に死んだこれらの恒星をかつて周回していた岩石天体は、地球や火星や太陽系の小惑星と同じく、しかし水星とは違って、fO2が高かったことが判明した。

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