News Release

古代の温暖期中に彗星が地球に衝突した可能性があることがガラス状の球体粒子から判明

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Comet Hit Earth during Ancient Warm Period, Glassy Spherules Suggest (1 of 1)

image: Electron backscatter (15 kV) images of representative P-E spherules from Hole 1051B, Wilson Lake B, and Millville cores and the Medford exposure. This material relates to a paper that appeared in the 14 October 2016, issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by M.F. Schaller at Rensselaer Polytechnic Institute (RPI) in Troy, NY, and colleagues was titled, "Impact ejecta at the Paleocene-Eocene boundary." view more 

Credit: M.F. Schaller <i>et al., Science</i> (2016)

暁新世−始新世温暖化極大期(PETM: Paleocene-Eocene Thermal Maximum)の間に彗星が地球に衝突したことを示す恐らく初となる直積的な証拠を科学者らが提示している。PETMとは5000万年以上前に起こった著しい温暖化の事象のことで、その原因に関する議論が進んでいる。 PETMは現代の地球温暖化による影響を理解するために最も適した過去の事象であることから、近年科学者らからの注目が集まっている。にもかかわらず、その原因は未だに解明されていない。同時期に膨大な量の炭素が大気に放出されたことが確認されており、その駆動要因として、炭素が豊富な海底の堆積物への洪水玄武岩の流入、火山活動による炭素の排出、および地球外から地球への影響の可能性が挙げられている。今回の研究でMorgan Schallerと共同研究者らは、暁新世と始新世の境界と関係がある大西洋の沿岸平野の海陸棚部分を調査し、特徴的な形態とミクロサイズのクレーターを有するケイ酸塩ガラスの球体粒子を発見したと報告している。今回発見されたガラス状の球体粒子は、その特徴から隕石の衝突時に生じた陸地の破片である可能性が高いと著者らは言及している。今回の結果は暁新世と始新世の境界の時期に彗星衝突があったことを示唆するものではあるが、衝突があった正確な時期、あるいは同時期に起こった地球の環境変化にこの衝突がどのような影響を与えたのかは未だに不明である。

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