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温暖化が0.5℃進めば生物多様性への悪影響が2倍になる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい評価の結果、2100年までの地球温暖化の上限を1.5℃ではなく2℃にした場合、自然分布域の半分以上を失う植物と脊椎動物の数は2倍になり、最大の影響を受けると予測される昆虫は、より高温になるこのシナリオでは自然分布域の3分の2を失うことがわかった。国連のパリ協定は地球温暖化の抑制を目的として、産業革命以前に比べて2℃より「十分低く」保つとともに、1.5℃に抑える「努力を追求」しているが、各国が現在掲げる削減目標ではこれらの目標値を超え、3.2℃の上昇になると予測される。今回Rachel Warrenらは、こうした異なる地球温暖化シナリオによって、ある種が見られる地理的地域(種の分布域)がどのような影響を受けるかを理解したいと考え、合計11万5000以上の陸生種を評価した。彼らの研究には、これまで同様の生物多様性評価では考慮されてこなかった多くの生物(多くの昆虫など)が含まれていた。特に彼らは、2100年までに自然分布域の半分以上を失うことが予測される種を調べた。著者らの報告によると、地球温暖化の上限を3.2℃にした場合、研究対象とした昆虫の49%、植物の44%、脊椎動物の26%が分布域を大幅に失うのに対して、温暖化の上限を理想的な目標値である1.5℃にした場合は、昆虫の6%、植物の8%、脊椎動物の4%ですむという。注目すべきことに、2℃よりも意欲的な1.5℃の目標を達成すると大きな利益があり、分布域の深刻な減少を経験する種の数が半分になると考えられる。著者らは、花粉媒介者などの数種は他の種よりも影響を受けやすいと述べている。関連するPerspectiveでは、Guy Midgleyがこの研究を取り上げている。

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