News Release

迅速フィンガースティック血液検査によりマウスの放射線曝露を速やかに推定

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たなフィンガースティック検査により、マウスにおいて1滴の血液から有害な放射線曝露の程度が迅速に推定できることが、1研究により示された。この検査は、曝露後数時間から1週間の間に、放射線量を検出でき、高リスクの放射線曝露イベントを経験した人に対して放射線曝露を推定するための迅速かつ有用な検査が必要とされていることに応えられる可能性がある。急性放射線症候群は、人が短時間内に大量の放射線に曝露された場合に生じる危険な病態であり、通常は原子炉のブレイクダウンや核兵器の爆発などの場合に発生する。急性放射線症候群の患者には、最適な臨床アウトカムを達成するために迅速な診断および治療を行う必要があるが、それは放射線曝露が消化器や肺などの感受性の高い器官に速やかなダメージをもたらすためである。しかし現時点で、FDAの承認を受けた検査で、血液中または組織中のバイオマーカーを調べて放射線量を推定できる実用的なものはない。Marshleen Yadavらは、1滴の血液を用いて2種類のマイクロRNA(mRNA)における量の変化を検出する新しい検査を開発した。これら2種類のmRNAのうち1つは、放射線に対して感受性の高い血中免疫細胞から分泌されるものである。著者らはまず、放射線曝露を受けた白血病患者の血清サンプルを調べ、2種類のmRNAのうち1つの濃度が、放射線曝露後に一貫して低下することを確認した。Yadavらは次いで、マウスを様々な線量の放射線に曝露させ、開発した検査によりγ線と中性子(実験用に作製した放射線機器への曝露をシミュレーション)の線量を、曝露から6時間後から7日後に推定できるかどうかを調べた。この検査により、2 Gyの放射線、すなわち、放射線曝露イベントにおけるトリアージで必要となる最小線量と考えられている放射線に曝露されたマウスを識別することができ、このことから、この方法はまだ症状が発現していない患者で特に有用となる可能性が示唆される。

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