News Release

1種類のモノクローナル抗体で2種類の致死的なウイルスを防ぐ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

One Monoclonal Antibody Protects Against 2 Lethal Viruses (3 of 3)

video: Video of researchers who contributed to developing a new therapy for Marburg and Ravn viruses summarizing their results and providing background information about the pathogens. view more 

Credit: The University of Texas Medical Branch at Galvestone

1種類のヒトモノクローナル抗体を用いた治療法が、マールブルグ病ウイルスとRavnウイルスによって引き起こされる致死的な出血熱からヒト以外の霊長類を守ったことが、新しい研究で報告された。1967年にマールブルグ病(MVD)の大流行が初めて確認されて以来、この疾患は感染者の約80%を死に至らしめることが明らかになっており、臨床的に認められた対処法(ワクチンなど)は現在存在しない。治療選択肢がないことから、大流行の発見と管理はさらに困難になっている。感染者はクリニックに報告せず、知らず知らずのうちに他人に疾患をうつしてしまうことが多いためである。エボラウイルス(フィロウイルスファミリーの類縁種)と同様、マールブルグ病ウイルスとRavnウイルスは、発熱、嘔吐、重度の下痢および内出血を起こし多くの場合死に至らしめる、非常に危険な感染症を引き起こす。さらに、2013~2016年の最近のエボラ出血熱の大流行では、困ったことにフィロウイルスと戦うための予防法・治療法がないことが強調された。Chad Mireらは、実行可能な治療法を探索し、マールブルグ病を生き抜いた患者の血清からこれまでに分離された抗体の一つ(MR191-Nと呼ばれる)が、マールブルグ病ウイルスとRavnウイルスを感染させたモルモットと非ヒト霊長類を死から守ったことを明らかにした。重要なことに、感染4日後と7日後に2回MR191-Nを投与した非ヒト霊長類はウイルスを除去でき、100%が生存したままであった。これに対して対照動物は全例が感染に屈した。Mireらは、MR191を臨床で試験する前に、追加の薬理試験と毒性試験、ならびに医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)下での開発が必要であろうと述べている。

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