News Release

ビタミンCは変異癌細胞にストレスを与えて殺傷する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

特定の変異を有する大腸癌細胞は、他の癌細胞とは違う方法でビタミンCを「扱い」、この違いによって最終的に癌細胞が殺傷されることが、新しい研究で明らかになった。これらの結果は、長年の謎であった、ビタミンCがどのようにして抗癌作用を発揮するのかを説明するうえで役立つ。高用量ビタミンC癌療法は、変化に富んだ歴史を持つ。この領域の矛盾した臨床データの一部は、投与経路の違いに起因しており、新しいデータは、経口ではなく静脈内投与のみが、癌細胞を殺傷できる投与法であることを示している。この発見の結果、ビタミンCの静脈内注入を行ってさまざまな癌を治療する複数の新しい研究が行われている。しかしながら、ビタミンCが癌細胞を殺傷するメカニズムは依然として明らかにされていない。ビタミンCは、KRASおよびBRAFという遺伝子に変異を持つ腫瘍細胞に抗腫瘍作用を示すことが明らかになっている。これらの遺伝子はそれぞれ、細胞分裂および細胞シグナル伝達の制御に関与する。今回、Jihye Yunらは、これらの遺伝子に変異があるヒト大腸癌(CRC)細胞について検討した。Yunらは、KRASまたはBRAF変異を持つCRC細胞が、酸化型のビタミンCを特異的に取り込み、酸化的ストレスを受け、その結果、正常なKRASおよびBRAF遺伝子を持つ細胞にはみられないプロセスで、細胞増殖に必要な酵素を不活性化することを明らかにした。これは、ビタミンCがどのようにしてこれらの変異癌細胞を選択的に殺傷するかを説明している。今後、科学者は、これらの細胞に対するビタミンCの選択的毒性を利用してビタミンCをベースとした治療法を開発できるかどうかを検討できる。

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Article #25: "Vitamin C selectively kills KRAS and BRAF mutant colorectal cancer cells by targeting GAPDH," by J. Yun; E. Mullarky; C. Lu; K.N. Bosch; A. Kavalier; E.G. Giannopoulou; A. Muley; J. Paik; O. Elemento; Z. Chen; L.E. Dow; S.S. Gross; L.C. Cantley at Weill Cornell Medical College in New York, NY; K. Rivera; I.I.C. Chio; D.J. Pappin at Cold Spring Harbor Laboratory in Cold Spring Harbor, NY; J. Roper at Tufts Medical Center in Boston, MA; C.Rago; N. Papadopoulos at Ludwig Center for Cancer Genetics and Therapeutics in New York, NY; C. Rago; N. Papadopoulos at Howard Hughes Medical Institute in Baltimore, MD; C. Rago; N. Papadopoulos at Johns Hopkins Kimmel Cancer Center in Baltimore, MD; J.M. Asara at Beth Israel Deaconess Medical Center in Boston, MA; E. Mullarky; J.M. Asara at Harvard Medical School in Boston, MA; E.G. Giannopoulou at City University of New York in New York, NY.


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