東京大学 生産技術研究所の田中 肇 教授と博士課程の学生 舘野 道雄 氏の研究グループは、
直径がnm~μm(ナノメートル~マイクロメートル)程度の大きさの微粒子(コロイド)が
溶媒中に分散した「コロイド分散系」において、コロイドが凝集していく過程を、共焦点顕微
鏡を用いて、1粒子分解能で3次元的に観察することに成功した。同時に、独自の数値シミュ
レーション手法(流体粒子動力学法)を用いて、凝集過程を予測した。そして、実験で得られ
た観察データとシミュレーション結果を、個々のコロイドの微視的な運動から凝集体の大域的
な構造にわたって比較したところ、恣意的なパラメータを一切含むことなく、実験結果をきわ
めて正確に再現できることが判明した。
この結果は、コンピューターを利用したコロイド分散系の構造形成の予測、さらには、ソフ ト・バイオマターの物質設計に新たな展開をもたらすと期待される。
本成果は2019年4月2日(英国夏時間)に「npj Computational Materials」のオンラ
イン速報版で公開される。
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