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COVID-19ワクチンの大規模生産には製造に関する知識の譲渡が必要

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

COVID-19に対するワクチンの大量・迅速な生産には、何を生産するかだけでなく、どのように生産するかに関するノウハウを製造会社に伝えることが必要になる、とNicholson PriceらはこのPolicy Forumで述べている。著者らが例として挙げているのは、最近、米国司法省が製薬会社6社に対して、モノクローナル抗体(mAb)候補に関わる製造プロセスに関する「技術上の情報」を交換することに承認を与えたことである。この例は、生物学的製剤製造の標準化をさらに進めるための道を開く可能性がある。世界中がCOVID-19の流行と闘うために安全かつ有効なワクチンや治療薬を見つけ出すことに懸命になっている中、注目は次の段階に移りつつある。すなわち、開発された製品を大量に製造することである。そのためには、場合によっては最初に製品を開発した会社とは別の会社が生産することが必要になり、その際には生産する会社は開発した会社の製造方法を知る必要が生じるであろう。しかし、数多くの理由によって、ワクチンといった製品の特許は、製造に必要な情報を公開できないようになっていることが多い。「パンデミック時にCOVID-19ワクチン生産に関する守秘性が広く守られていると、劇的な破綻が生じる可能性がある」と、Priceらは主張する。著者らは、迅速かつ効果的な生産拡大のために重要な情報を、いつでも利用可能にしておかなければならない、と述べている。特に、最終的に大量生産されることになる製品がいまだ特定されていない時点では、その来るべき生産規模拡大を確実に可能にするための幅広い取り組みに焦点を当てるべきである。著者らは、知識の譲渡は、知識がコード化されていない場合も含めて、些細な問題ではない可能性を認識している。しかし、著者らによれば、いくつかの組織、例えば既存の国際組織や各国政府を含めて、このような知識の譲渡を促進する可能性があるという。

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